理事長あいさつ
理事長あいさつ
* 自己紹介
大和は国の「まほろば」と称される奈良市に開設させて頂きました社会福祉法人ききょう会理事長の岩本です。新参者ではございますが皆様よろしくお願い申し上げます。
1988年に大学の恩師のお供で慰問した施設での出会いが今日のききょう会の礎となっております。当時28歳の私の質問に「だって、みんな家族ですから・・・」その時の職員さんの笑顔と共におっしゃった一言が今も尚、心に残っています。私達ききょう会の職員が、施設で暮らす皆さんと家族になれているか否かは分かりません、しかし家族のように皆さんと関り、楽しい時も、辛い時も一緒に悩んで、一緒に笑えたら嬉しいと思っているのは間違いありません。施設で生活する皆様と職員皆様と社会福祉法人ききょう会は共に成長していくのだと確信しております。
平成28年4月1日施行の「奈良県障害のある人もない人も、ともに暮らしやすい社会づくり条例」に、障害のある人が、障害を理由に不利益な扱いを受けたり、生活の様々な場面で暮らしにくさを感じたりしているといった問題をなくすよう配慮や工夫をしようという事が記されています。ききょう会は、この世に存在する一人ひとりに物語があり、その物語そのものが、かけがいのないもので、それはまさに日々の暮らしの中にあると考えています。「働く事」「学ぶ事」「楽しむ事」など当たり前に様々な経験ができるように支援していきたいと考えています。
今後とも社会福祉法人ききょう会の活動に温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。
【ききょう会の未来】
一人ひとりの人生は、否が応でも時間と共に全て人の歴史となっていきます。その歴史を肯定できなくて笑顔が消えた方に光をプレゼントできれば嬉しいです。また、私たちが生活する日本の社会を守り育てて下さった高齢者の方で、寂しく日々をお過ごしの方々に暖かい光をプレゼントできれば嬉しいです。このような方々と過ごせる施設環境整備と、仕事を提供できる就労支援施設を開設したいと計画しております。
【名前の由来】
小学校の授業で、自分の名前に由来をお家で聞いてくるというテーマがありました。
それぞれの名前には、希望に満ちた思いが込められていると思います。
私共、社会福祉法人ききょう会の「ききょう」は、私の生家が信仰する、辨天宗の宗紋の「ききょう」です。智辯学園のユニフォームでお馴染みの桔梗のマークです。
施設名の「陽気園」は、母校天理大学を擁する天理教に「陽気ぐらし」という教えがあります。そこで、陽気の園であれという思いで「陽気園」と命名いたしました。
そして通所事業の「なかま」「きぼう」「みらい」は「仲間と共に未来に希望をもって歩もう」という方針から命名いたしました。
建物にも什器備品にも施設の名前にも命が宿っています。かけがえのない命の住まいである施設で命と命が交わり陽気に暮らせる日々を、行政と地域と職員、そして利用者皆様と共に育んで参りたいと思っています
【私の生涯の目標】
わたくし個人としての生涯の目標があります。講道館柔道 加納治五郎師範のお言葉である「精力善用」「自他共栄」です。その解釈を記させて頂きます。
“幼いころからの母の教えや父の行動哲学を通して受け継いだ「心身の持つすべての力を最大限に生かして、社会のために善い方向に用いる」という「精力善用」の精神と、柔道の修行を通して体得した「対する相手を敬い、感謝することで、信頼し合い、助け合う心を育み、自分だけではなく、他人と共に栄えある世の中にしようとする」という「自他共栄」の二つの規範は、生涯を通して加納治五郎先生の進むべき道を示し続けた。加納治五郎先生は、柔道の道を究め強くなり、地位や名誉を得たあとも、決して驕ることなく、学問においても人より研鑽を積み、常に向上心を持ち続け、更なる目標を作り、自らが世の中の役に立つことを考えた。ここに、「精力善用」「自他共栄」の精神は世界の平和に繋がるという信念に高められたと言える。多くの若者に影響を与えてきた加納治五郎先生は、修行で培った力は、相手をねじ伏せたり、威圧したりするために使うのではなく、世の中を良い方向に動かすために使わなければならないと弟子達にも伝えた。また、講道館柔道が世界の柔道として発展していった背景には、加納治五郎先生が自らの技を磨くだけではなく優れた後輩を育てるために、国籍や人種に囚われず公平に指導したということが大きかった。”
以上、加納治五郎師範のお考えを我が人生の目標として歩みたいと考えております。